ARES J-REIT Property Database のご利用にあたって

ARES J-REIT Property Databaseは、上場不動産投資信託(J-REIT)の一定の公開情報をもとに不動産証券化協会が作成・算出した保有不動産 に係るARES J-REIT Property Index(AJPI)等指標(AJPI四半期収益率、AJPI年次収益率及びARES J-REIT Property Indexカスタマイズサービスも含みます)及びJ-REIT個別保有不動産検索システムから構成されます。本サービスの提供主体は不動産証券化協会であり、また、各不動産投資法人及び各資産運用会社から承諾を得て作成しているものではありません。

上場J-REITが保有する不動産、不動産の賃借権、地上権、これらを信託する信託の受益権などを総称して「保有不動産」とします。

ARES J-REIT Property Index(AJPI)は、基準時点の値を1000とした指数であり、AJPI月次収益率を基に以下の算式によって算出されます。以下の式におけるAJPI月次収益率とは、J-REITが保有する各個別不動産の月次収益率の期末首市場価値(BMV)による加重平均値です。J-REITが保有する各個別不動産の月次収益率は、米国NCREIFが算出するNPIの方法に準じて算出した6ヶ月収益率を複利の考え方で割り戻して算出しています。

基準時点のAJPI=1000
当月のAJPI=前月のAJPI×(1+当月のAJPI月次収益率)…(※)

AJPIは、AJPI月次インカム収益率を用いて算出したAJPIインカム指数、AJPI月次キャピタル収益率を用いて算出したAJPIキャピタル指数、及びAJPI月次総合収益率を用いて算出したAJPI総合指数、3種類から構成されます。 上記()式においては、AJPI月次インカム収益率、AJPI月次キャピタル収益率、AJPI月次総合収益率の総称として「AJPI月次収益率」と表示しています。

現在公表するAJPIは、従来公表してきたARES J-REIT Property Price Index(AJPPI)と同一の指標であり、2011年6月20日よりAJPIへと名称変更したものです。同時に、従来から公表してきたAJPIは廃止されました。

AJPI四半期収益率は、AJPI四半期・インカム収益率、AJPI四半期キャピタル収益率、AJPI四半期総合収益率から構成され、いずれも当該四半期の年率換算前収益率を示しています。AJPI四半期収益率のうち、AJPI四半期インカム収益率及びAJPI四半期キャピタル収益率は、AJPIの四半期の変化率として算出しています。AJPI四半期総合収益率は、AJPIインカム収益率とAJPIキャピタル収益率の合計値として算出しています。

ARES J-REIT Property Databaseは、利用者に対する情報提供を唯一の目的としており、いずれの内容も投資勧誘や特定の銘柄への投資の推奨等を目的としたものではありません。

ARES J-REIT Property Databaseは、上場不動産投資信託(J-REIT)の一定の公開情報をもとに作成したものであり、情報には誤り・遺漏等がないよう細心の注意を払っておりますが、ARES J-REIT Property Databaseは、閲覧者の皆様にコンピュータを通じて簡便に情報参照していただくために作成されたもので、提供している情報に不正確な記載や誤植、その他コンピュータの誤作動や第三者の不正操作による不適切な情報を含むことがあります。不動産証券化協会は、これらの上場不動産投資信託(J-REIT)の一定の公開情報の正確性、完全性、妥当性及び公正性を保証するものではなく、また、これらをもとに作成したARES J-REIT Property Databaseの正確性、完全性、妥当性及び公正性についても何ら保証するものではありません。

不動産証券化協会は事前の通知を行うことなく、ARES J-REIT Property Databaseの修正を適宜行うことがあり、またARES J-REIT Property Databaseの算出及び情報の提供を中断、廃止することがあります。

不動産証券化協会はARES J-REIT Property Databaseの計算方法等や内容につき随時変更することがあります。

ARES J-REIT Property Databaseのご利用及び閲覧は、閲覧される方ご自身の責任でなされるものであり、不動産証券化協会は、ARES J-REIT Property Databaseへのアクセス又はご利用によって発生したいかなる損害(コンピュータ等のハードウェア又はネットワークにかかる損害(直接・間接損害・修理費用等)を含み、またその原因の如何にかかわりません。)についても一切責任を負いません。

不動産証券化協会は、ARES J-REIT Property Databaseを更新、追加、変更又は削除する義務を負うものではありません。ARES J-REIT Property Databaseの内容の更新、追加、変更、削除若しくは部分改廃又はARES J-REIT Property Databaseの提供の中断若しくは停止等により、利用者が損害をこうむった場合であっても、不動産証券化協会は、一切責任を負うものではなく、賠償の責めを負いません。

ARES J-REIT Property Databaseの著作権は、原則として不動産証券化協会に帰属します。当協会に無断でARES J-REIT Property Databaseの転用、複製、改変、刊行、配布及び商業的利用をすることはできません。

AJPI等指標の準確定値及び速報値を含むデータ又はグラフ等の情報の第三者への提供については、準確定値及び速報値が含まれる旨を該当期間と合わせて示し、かつ、準確定値又は速報値と、将来公表予定の確定値との間には差異が生じる可能性がある旨を示す場合に限り許諾します。AJPI等指標の速報値の定義と留意点等については、不動産証券化協会のホームページ内の説明( http://jreit-view.ares.or.jp/jreit_pdb/sokuhochi.html )等をご参照ください。

ARES J-REIT Property Databaseは、現在無料でご提供しておりますが、将来に渡り無料であることを保証するものではありません。

ARES J-REIT Property Databaseのご紹介

1.概要

ARES J-REIT Property Databaseとは、一般社団法人不動産証券化協会(ARES)がウェブサイト上において、上場J-REIT(不動産投資信託) ※1 の保有する不動産、不動産の貸借権、地上権、これらを信託する信託の受益権(以下総称して「保有不動産」とする)に関する情報を提供するサービスです。ARES J-REIT Property Databaseは、上場J-REITが決算毎に公表する各個別不動産に関する情報をそれらの公開情報を一元化して利用しやすくすると共に、上場J-REITの公開情報を元に一定の指標を算出・公表することで不動産市場の動向を広く一般にお伝えすることを目的としており、そのサービス内容は、ARES J-REIT Property Index(AJPI)等指標(AJPI四半期収益率、AJPI年次収益率及びARES J-REIT Property Indexカスタマイズサービスも含みます)及びJ-REIT個別保有不動産検索システムから構成されます。
 J-REIT個別保有不動産検索システムは、ARESが開示情報を基にデータベース化したJ-REITの個別保有不動産に関する収支・鑑定評価額・賃貸面積・賃貸可能面積等の情報を、ユーザーが設定した条件で検索し、そのデータをエクセル等で加工な CSV ファイル(カンマ区切りテキスト)で情報提供するためのシステムです。
 ARES J-REIT Property Index(AJPI)等指標は、東京証券取引所に上場するJ-REITが保有する保有不動産に関する情報を集計・算出した指標で、グラフやデータを不動産証券化協会のウェブサイト(www.ares.or.jp)等において取得することができます。AJPI等指標の算出に当たっては、特殊要因が見込まれる保有不動産を取得した決算期のデータは指標算出の対象とはせず保有不動産を取得した決算期の翌期以降のデータを指標算出の対象といたします。ただし、合併時に、存続投資法人又は新設投資法人が消滅投資法人から取得した物件については、各種指数の算出に必要なデータが開示されている限り、算出対象から除外せず、取得した決算期から各種指数の対象とする例外的取扱いを適用しています。また、上場J-REITが既に売却した保有不動産については、過去の保有期間に限り対象に含めています。
 不動産証券化協会ホームページ上では、一定の地域や主用途に関するAJPI等指標のサブインテックスが掲載されていますが、これとは別に、地域・主用途・J-REIT銘柄・建築時期・取得価格・延床面積に関して利用者が任意に設定した条件を満たす物件のみを対象とするAJPI等指数を算出・提供するARES J-REIT Property Indexカスタマイズサービスも併せて提供しております。

※1
J-REIT(不動産投資信託)とは、投資家から集めた資金を主として不動産で運用し、その運用益を投資家に分配する集団投資スキームの一つである。2000年11月の「投資信託及び投資法人に関する法律」の改正により、投資信託の運用対象が、有価証券から不動産等を含む一般の財産権にまで拡大したことから組成可能となった。
2.意義

日本では、元来、個別不動産の収支情報や不動産鑑定評価額に関する情報が広く一般に公表されるケースはあまり一般的ではなく、不動産証券化においても関係当事者にのみ情報が開示されることが一般的でした。ところが、2001年に初の上場銘柄が登場したJ-REITにおいては、保有するほぼすべての個別不動産について、決算期毎にその収支や不動産鑑定評価額のデータが広く一般に開示されることとなり、日本の不動産投資市場の透明性は非常に高まりました。しかしながら、個別不動産に関するJ-REIT各銘柄の開示は、紙やPDFファイルをベースとしており、一部銘柄を除き、加工や集計が可能な形でのデータ提供が行われておらず、利用に当たっては、データ入力作業等の労力を要する状況にありました。J-REIT個別保有不動産検索システムは、開示情報のデータ化等をARESにて一元的に行い、エクセル等で加工・集計可能な形で提供することにより、皆様をデータの作成作業から解放いたします。データ利用上の利便性は、大きく向上したといえましょう。
 また、不動産投資インデックスであるAJPI等の各種指標は、現実のキャッシュフローや現実の契約実績に基づいている点が大きな特徴であり、日本において極めて数少ない貴重な指標です。また、AJPI等指標は、上場J-REITの保有不動産の平均的動向を示すことから、そのデータが蓄積するにつれ、不動産のリスク・リターン特性や不動産市場のサイクルを把握しやすくなります。将来的に物件のカバーが広がれば、AJPI等指標のマクロ指標としての精度がより一層高まると考えられます。将来的には、日本においてもAJPIが運用不動産のパフォーマンス評価の上でのベンチマークとして役割を果たすことも期待されます。
 但し、対象となる不動産がいずれも上場J-REITの保有不動産であることから、指標に何らかの特殊性が認められる可能性があり、また、日本の不動産マーケット全体をカバーしたものではありませんので注意が必要です。

3.公表指標の内容
(1)ARES J-REIT Property Index(AJPI月次指数)

上場不動産投資信託(J-REIT)の保有不動産に関する開示情報を基に算出された不動産投資インデックスであり、基準時点を1000とした指数として以下の算式によって算出される。

基準時点のAJPI=1000
当月のAJPI=前月のAJPI×(1+当月のAJPI月次収益率)…(※)

AJPIは、@インデックスAJPI月次インカム収益率を用いて算出したAJPIインカム指数、AAJPI月次キャピタル収益率を用いて算出したAJPIキャピタル指数、及びBインデックスAJPI月次総合収益率を用いて算出したAJPI総合指数、3種類から構成される。 上記(※)式においては、AJPI月次インカム収益率、AJPI月次キャピタル収益率、AJPI月次総合収益率の総称として「AJPI月次収益率」と表示している。
 なお、AJPI月次収益率は以下のステップによって算出される。

(@)個別不動産の年率換算前収益率(通常は6ヵ月収益率)の算出(ステップ1)
以下の算式により、年率換算前のインカム収益率及びキャピタル収益率を算出
個別不動産の年率換算収益率(通常は6ヶ月収益率)を、以下の算式(米国NCREIF方式に準拠)により算出。
個別不動産の年率換算前収益率(通常は6ヵ月収益率)の算出
個別不動産の年率換算前収益率(通常は6ヵ月収益率)の算出
上記は、いずれも年率換算前収益率(通常は、6ヶ月収益率)。
ただし、
個別不動産の年率換算前収益率:Ending Market Value of Real Property k(個別不動産kの期末市場価値)
個別不動産の年率換算前収益率:Beginning Market Value of Real Property k(個別不動産kの期首市場価値)
個別不動産の年率換算前収益率 :Partial Sales of Real Property k(個別不動産kの部分売却額)
個別不動産の年率換算前収益率:Capital Improvement or Expenditures of Real Property k(個別不動産kの建物改装費等/資本的支出)
個別不動産の年率換算前収益率:Net Operating Income of Real Property k(個別不動産kの純営業収益)
(注1)
NOIとは、Net Operating Incomeの略称であり、賃貸事業収益から賃貸事業費用(減価償却費を除く)を控除した賃貸純収益を指します。
(注2)
物件を取得した期においては、固定資産税、都市計画税が取得価格として資産に計上され、賃貸事業費用として計上されないことによるNOIへの影響や取得直後におけるリースアップ期間特有の事情等、特殊要因反映される可能性があるため、データ対象から外しています。ただし、データ対象に含めている取得の翌期以降のデータにおいても、同様の特殊要因の影響が含まれている可能性もあります。
(注3)
上記式は、米国で広く普及する不動産投資インデックスであるNCREIF Property Index(NPI)の算出方法に準じています。ただしNPIの算出式分母におけるNOIの係数が‐0.33であるのに対し、AJPIでは−0.417となります(通常の6ヵ月決算の場合)。このような差異が生じる理由や個別不動産の収益率算出式の根拠・前提等の詳細については、<ご参考1>不動産投資収益率の算出式の根拠(http://jreit-view.ares.or.jp/jreit_pdb/explain.html#intro-link-5)をご参照ください。)
(注4)
及び の算出式における分母のNOIの係数が‐0.471 となるのは、6ヶ月間決算(あるいは半期決算)のデータの基づき収益率を算出する一般的な場合です。合併に伴う変則決算時等、それ以外の決算期間のデータを利用して個別不動産の収益率を算出する場合、異なる係数が適用されます。合併時におけるNOI係数等の取扱いは合併に伴うARES J-REIT Property Index等算出方法、利用データ等についてはhttp://jreit-view.ares.or.jp/jreit_pdb/explain_mergers.htmlをご参照ください。
(注5)
個別保有不動産について資本的支出が開示されていない場合、0とみなして算出しています。
(A) 個別不動産の月次収益率の算出(ステップ2)
ステップ1で米国NCREIF方式に準じた方法で算出した個別不動産kの年率換算前のインカム収益率 及びキャピタル収益率 (通常は6ヵ月収益率)より、以下の算式によって月次収益率を算出する。
個別不動産kの月次インカム収益率 個別不動産の月次収益率の算出
個別不動産kの月次キャピタル収益率 個別不動産の月次収益率の算出
個別不動産kの月次総合収益率 個別不動産の月次収益率の算出
(注1)
ここでは、個別不動産kの年率換算前の個別不動産kの年率換算前のインカム収益率 及びキャピタル収益率 が、いずれもnヶ月収益率である場合の算式を示しました。最も一般的な6ヵ月収益率の場合、n=6となります。
(注2)
上式による月次収益率は、決算時の開示情報によって収益率(インカム収益率、キャピタル収益率)が算出されたnヶ月において、毎月の収益率が同一だと想定した上で、複利の考え方で割戻して算出した月次収益率に相当します。より詳細については、後述する2.月次収益率の特徴と算出方法の 考え方http://jreit-view.ares.or.jp/jreit_pdb/explain.html#02_1をご参照ください
(B)AJPI月次収益率の算出(個別不動産の月次収益率を集計) (ステップ3)
ステップ2で算出した個別不動産の月次収益率を集計し、AJPI月次収益率を以下の通り算出します。
AJPI月次インカム収益率 AJPI月次収益率の算出
AJPI月次キャピタル収益率 AJPI月次収益率の算出
AJPI月次キャピタル収益率 AJPI月次収益率の算出
(注1)
AJPI月次インカム収益率 とAJPI月次キャピタル収益率 はそれぞれ、個別不動産kの月次インカム収益率 の期首市場価値 による加重平均、個別不動産kの月次キャピタル収益率 の期首市場価値 による加重平均を表しています。
(注2)
ここで求めたAJPI月次収益率と前月のAJPIから、上記の(※)式によって当月のAJPIが算出される。
(2)AJPI四半期収益率

AJPI四半期収益率は、AJPI四半期インカム収益率、AJPI四半期キャピタル収益率、AJPI四半期総合収益率から構成され、いずれも当該四半期の年率換算前収益率を示しています。
 AJPI四半期収益率のうち、AJPI四半期インカム収益率、AJPI四半期キャピタル収益率は、AJPI(ARES J-REIT Property Index)の四半期の変化率として算出します。

<AJPI四半期収益率の算出イメージ(インカム収益率、キャピタル収益率の場合)>
●従来から公表している月次のAJPIを四半期データへと集約
従来から公表している月次のAJPIを四半期データへと集約
●AJPI四半期収益率の算出(インカム収益率、キャピタル収益率の場合)

AJPI四半期データの変化率として算出されます。上の数値例の場合、例えば、200X年4月〜6月のAJPI四半期収益率は、以下の通り算出されます。

200X年4月〜6月のAJPI四半期収益率

  • 200X年4月〜6月のAJPI四半期収益率
  • =(1054.23−1048.64)/1048.64
  • =0.533%
(注)
AJPI四半期収益率の総合収益率については、インカム収益率、キャピタル収益率の算出方法とは異なり、以下の算式によって算出しています。
  総合収益率=インカム収益率+キャピタル収益率
AJPI総合指数の四半期変化率とは、一般的には差異が生じますので、ご注意ください。
(3)AJPI年次収益率

AJPI年次収益率は、AJPI年次インカム収益率、AJPI年次キャピタル収益率、AJPI年次総合収益率から構成され、いずれも当該年の年率収益率を示しています。
 AJPI年次収益率のうち、AJPI年次インカム収益率、AJPI年次キャピタル収益率は、AJPIの年間の変化率として算出します。

<AJPI年次収益率の算出イメージ(インカム収益率、キャピタル収益率の場合)>
●従来から公表している月次のAJPIを年次データへと集約
●AJPI年次収益率の算出(インカム収益率、キャピタル収益率の場合)

AJPI年次データの変化率として算出されます。上の数値例の場合、例えば、200X年1月〜12月のAJPI年次収益率は、以下の通り算出されます。

2010年1月〜12月のAJPI年次収益率

  • 2010年1月〜12月のAJPI年次収益率
  • =(1076.44−1041.45)/1041.45
  • =3.360%
(注)
AJPI年次収益率の総合収益率については、以下の算式によって算出しています。
  総合収益率=インカム収益率+キャピタル収益率
AJPI総合指数の年間変化率とは、一般的には差異が生じますので、ご注意ください。
(4)平均稼働率(%)
算出式:

総賃貸面積/賃貸可能面積

集計方法:

上場J-REIT各銘柄の保有不動産について、前期末と当期末の単純平均のデータが当期中、毎月継続すると仮定した月次データを作成し、各月について個別保有不動産の賃貸可能面積(分母)での加重平均をとった月次データを算出。

(5)平均賃料単価(千円/m 2 ・月)
算出式:

賃貸事業収入/総賃貸面積

集計方法:

上場J-REIT各銘柄が保有する個別保有不動産について、当期における賃貸事業収入の実績値及び当期末における総賃貸面積によって算出した指数値が、当期中毎月継続すると仮定し、各月について個別保有不動産の総賃貸面積で加重平均をとった月次データを算出。

(注1)
算出にあたり、半年間のデータを月当たりに換算しています。
(注2)
賃料は共益費込みの金額で算出しています。また、一部保有不動産には駐車場収入等が含まれています。賃貸事業収入に対する駐車場収入等の比率は2〜4%であり、これらを含んだ数値をもとに算出した本指標においても2〜4%程度の変動幅がありますのでご注意ください。
(6)AJPIキャップレート

AJPIキャップレートは以下の式により算出

(@)個別不動産のキャップレートの算出(ステップ1)
個別不動産kのキャップレート(CRk)を、以下の式により算出
個別不動産の年率換算前キャップレート
ただし
個別不動産の年率換算前収益率:Net Operating Income of Real Property k(個別不動産kの純営業収益)
個別不動産の年率換算前収益率:Beginning Market Value of Real Property k(個別不動産kの期首市場価値)
(A)個別不動産のキャップレートを集計します (ステップ2)
ステップ1で算出した個別不動産のキャップレート(CRk)を集計して、AJPIキャップレートを以下の通り算出します
個別不動産の年率換算前キャップレートを集計した上で、年率換算します (ステップ2)
(注1)
NOIとは、Net Operating Incomeの略称であり、賃貸事業収益から賃貸事業費用(減価償却費を除く)を控除した賃貸純収益を指します。
(注2)
物件を取得した期(場合によっては、その次の期)においては、固定資産税、都市計画税が賃貸事業費用として計上されないことによるNOIへの影響があるため、物件を取得した期の翌々期より算出対象とします。
(注3)
1年決算の銘柄保有の個別不動産のキャップレートについては、中間決算のデータも用いてステップ1の6カ月キャップレートの算出をしております。
(注4)
AJPIキャップレートのデータ頻度は月次ですので、算出は月毎に行います。
4.ARES J-REIT Property Databaseの課題と今後の展望

ARES J-REIT Property Databaseが公表する指標は、上場J-REITの開示情報のみを利用するという方針によって、以下のような課題が生じています。
 第一に、J-REITが誕生した当初において、上場J-REITの保有不動産が少ないことによって生じる課題が考えられます。指標が対象とする保有不動産数が少ない場合、指標が市場全体の平均値を示さず、指標の対象となる保有不動産の個別的要因が強く反映されてしまうリスクがあります。
 第二に、上場J-REITの保有不動産の増減に伴い、指標が対象とする保有不動産が変動することによって生じる課題が考えられます。これは、指標の変化が保有不動産の平均的な動向の変化のみを反映しているのではなく、指標の対象保有不動産の変化による影響をも反映している問題を意味します。特に、保有不動産数が少ない時期において、上場J-REITの保有不動産に対する新規に取得した保有不動産の割合が高いといえ、指標の変化に対象保有不動産の変化による影響が強く現れるリスクがあります。
 第三に、上場J-REIT各社の開示情報における項目の種類や項目の定義に差異があることによって生じる課題が考えられます。ARES J-REIT Property Database が公表する指標を算出する際、そのような差異については一定の調整を行っておりますが、その調整による結果と実際の動向との間に誤差が生じる可能性があります。特に、不動産投資収益率は、諸外国で利用されている不動産インデックスと同一の概念であり、算出式を定めるにあたってはアメリカで最も広く利用されているNCREIF Property Indexの算式と同等の前提によっておりますが、元データの開示における銘柄間の差異を調整したことによって生じる誤差が含まれていますので注意が必要です。不動産投資収益率をパフォーマンス評価や投資判断に利用した場合、結果として誤った判断につながるリスクがあります。
 第四に、指標の集計方法による問題点があります。この問題は、上場J-REITはいずれも6ケ月ごとに決算または中間決算(以下、両者を合わせて決算等といいます。)を迎え、決算ごとに個別保有不動産の情報を公開しているものの、決算の時期は銘柄によって相違しており、毎月異なるJ-REITが決算を迎えている事情によって生じます。ARES J-REIT Property Databaseにおける指標の算出にあたっては、毎月少なくとも1銘柄が決算を迎え、保有不動産に関する新たなデータを公表する事情を踏まえ、月次で指標を更新することといたしました。決算を迎えない月については、その月を含む決算期末のデータと同一であるものと仮定し、個別保有不動産ごとの加重平均を算出しています。ここでの仮定によって、毎月の変動が平準化されます。したがって、ARES J-REIT Property Databaseで公表する指標を元に、その変動を示す指標を別途算出された場合、変動性が市場で生じている変動に比べて過小に評価されるリスクがあります。
 ARES J-REIT Property Databaseにおいて公表する指標には、少なくとも上に挙げたような課題があります。これらの課題を認識せずに、指標を参考にする場合、誤った判断につながる可能性がありますので注意が必要です。
 今後、市場の拡大と共に課題が解消されてゆくことで、より課題の少ない指標になっていくことが望まれます。現状で、各種指標をご利用いただく場合、ここでお示しした課題について十分ご留意いただく必要があります。

<ご参考1>不動産投資収益率の算出式の根拠
1.NCREIF Property Indexの算出式

ARES J-REIT Property Databaseの指標のうち、不動産投資収益率については、アメリカで特に広く利用されている、NCREIFが公表するNCREIF Property Index(NPI)の算出式に準拠する方針で、算出式を定めました。

NCREIFは、1985年に設立されたNational Council of Real Estate Investment Fiduciariesの略称であり、不動産投資を行う年金基金などが会員となり、自社が保有するデータを提供することで、実物不動産インデックスを公表している非営利団体です。NCREIF Property Indexは1970年代末から作成され、1982年に正式に公表され始めました。2009年第1四半期時点におけるNCREIF Property Indexの対象不動産は、総額約2,686億ドル(約27兆円)、サンプル数6,071となっています。

NCREIF Property Indexの算出式は以下の通りです。

(1)インカム収益率

総合収益率のうち、個々の物件の純営業収益(NOI)に起因する部分です。NOIを四半期毎の投資額平均で除して算出します。

インカム収益率
  • NOI:Net Operating Income(純営業収益)
  • BMV:Beginning Market Value(期首市場価値)
  • CI:Capital Improvement or Expenditures(建物改築費等 / 資本的支出)
  • PS:Partial Sales(部分売却額)
(2)キャピタル収益率

建物改築費等・資本的支出や部分売却考慮後の市場価値変動を、四半期毎の投資額平均で除して算出します。

キャピタル収益率
  • EMV:Ending Market Value(期末市場価値)
  • BMV:Beginning Market Value(期首市場価値)
  • PS:Partial Sales(部分売却額)
  • CI:Capital Improvement or Expenditures(建物改装費等 / 資本的支出)
  • NOI:Net Operating Income(純営業収益)
(3)総合収益率

インカム収益率とキャピタル収益率の合計値として算出されます。

  • 総合収益率=インカム収益率+キャピタル収益率
(4)分母の意味

NCREIF Property Indexの分母「BMV+0.5CI−0.5PS−0.33NOI」は、四半期における平均投資残高を表しています。平均投資残高がこのように算出されるのは、以下のような前提に基づきます。

<前提1>CI(建物改装費または資本的支出)やPS(部分売却額)は、期央に発生するものと仮定している。
・前提1のイメージ図
CI(建物改装費または資本的支出)やPS(部分売却額)は、期央に発生するものと仮定している。

前提1より、CIやPSの当該四半期中の加重平均としての大きさは、0.5CIまたは0.5PSという形で表されることになります。

<前提2>NOIは、四半期の間の毎月末に均等に発生すると仮定している(すなわち、当該期間に発生するNOIの1/3ずつが毎月末に発生すると仮定する。)
・前提2のイメージ図
NOIは、四半期の間の毎月末に均等に発生すると仮定している(すなわち、当該期間に発生するNOIの1/3ずつが毎月末に発生すると仮定する。)

前提2より、
当該四半期中の加重平均としてのNOIの大きさは、

  • =(1/3NOI×2/3四半期)+(1/3NOI×1/3四半期)+(1/3NOI×0/3四半期)
  • =0.33NOI

と表されることになります。

前提1、前提2により、平均投資残高は、BMV+0.5CI−0.5PS−0.33NOIとなります。

2.上場J-REITデータを用いた場合の算出式(NCREIF Property Indexの算出式の修正)

J-REITは、半期毎の決算ではあるが、賃料収入等のNOIは毎月末に入ってくると想定しています。この場合、当該期間(半期)に発生するNOIの1/6ずつが毎月末に発生すると考えられるので、当該期間(半期)の加重平均としてのNOIの大きさは、

  • =(1/6NOI×5/6半期)+(1/6NOI×4/6半期)+(1/6NOI×3/6半期)+(1/6NOI×2/6半期)+(1/6NOI×1/6半期)+(1/6NOI×0/6半期) =0.417NOI

と表されることになります。
よって、分母に来る「該当半期平均投資残高」は、次式で与えられることになります。

<イメージ図>
該当半期平均投資残高

以上から、ARES J-REIT Property Databaseが公表する不動産投資収益率(%/年)の以下の算出式が得られます。

不動産投資収益率
<ご参考2>AJPIの算出イメージ(算出例)と個別不動産の月次収益率算出の考え方
1.AJPIの算出イメージと月次収益率の考え方

AJPI(ARES J-REIT Property Index)とは、上場J-REITの保有物件に関する収支や鑑定評価額のデータを元に算出した不動産の価格インデックスであり、基準時点の値を1000とし、それ以降、以下の式に示す通り、前月の指数値に(1+当月のインデックス月次収益率)を乗じて算出します。

  • (1)基準時点の指数値=1000とする(基準化)。
  • (2)当月の指数値=前月の指数値×{1+当月のインデックス 月次収益率 }
(注)
(2)の当月 月次収益率 は、前月から当月の期間における 月次収益率 を示している。 (インデックス月次収益率の算出方法については、後述する「2.個別不動産の月次収益率算出の考え方」 参照。)
AJPIの算出例

(例)インデックス月次収益率が以下のように推移した場合には、

200X年4月200X年5月200X年6月200X年7月
0.51%0.51%0.53%0.53%

200X年3月を基準(=1000)とすると、AJPIは次のように推移する。

200X年3月200X年4月200X年5月200X年6月200X年7月
1000.001005.111010.251015.601020.99
AJPIの算出イメージ(算出例)と個別不動産の月次収益率算出の考え方
2.個別不動産の月次収益率算出の考え方
●月次収益率算出の考え方

米国のNCREIF Property Index(NPI)に準じた方法によって算出された個別不動産 k の年率換算前収益率(通常は6ヵ月収益率)が6%の場合

当該6ヶ月間の月次収益率rが一定であったとして、毎月の月次収益率rをどのように算出するかが問題となる。
具体的には、以下に示す通り、単利あるいは複利で考えてrを算出するのが一般的である。

<収益率のイメージ>
月次収益率算出の考え方

AJPIの算出においては、複利に基づき、月次収益率rを算出することとしました。

個別不動産kの月次収益率及びそれら月次収益率を用いたAJPIの算出方法については、「3.公表指標の内容 (1)AJPI(ARES J-REIT Property Index) 」をご参照ください。

3.AJPI収益率の算出方法

不動産証券化協会は、AJPIの指数値自身に加え、AJPI四半期収益率及びAJPI年次収益率についてもウェブサイト上にて数値を公表しています。これらは、AJPIの変化率によって算出されます。

これ以外の任意の期間の収益率についても、当該期間のAJPI変化率として容易に把握することができます。なお、AJPI自体にも、以下のようなメリットが期待されます。

AJPI収益率の算出方法

このような特性を持つAJPIの登場によって、日本の不動産投資市場の透明性の更なる向上や、日本における不動産のリスクヘッジ、リスクテイク手法等の拡大に寄与するものと期待されます。

<ご参考3>不動産投資インデックスとは
1.不動産投資インデックス
(1)不動産投資インデックスとは

不動産投資インデックスとは、不動産投資における意思決定の参考となり同時に投資成果を測定・評価するための指標を指します。具体的には、賃料収入等から得られるインカム収益率と不動産価値の変動から得られるキャピタル収益率及びそれらを合計した総合収益率からなります。

(2)不動産投資インデックスの用途

インデックスには二つの用途があります。「マーケット・インデックス」は投資対象となる不動産市場全体の動きを示し、投資戦略の策定や資産配分の検討に用いられます。「ベンチマーク・インデックス」は投資成果の測定やファンドマネジャーの実績評価の指標として用います。  投資家による不動産投資インデックスの活用が一般化している英米では、インデックスを参考に、投資用不動産の選定や投資の評価を行っています。

(3)証券のインデックスとの違い

株式・債券などの証券投資の場合には、流動性の観点から投資対象となり得る証券群(ユニバース、と呼ばれる)が定められ、それらの収益率平均を指数化したものがインデックスとなります。投資家はインデックスを用いた期待収益率とリスクの組み合わせで資産配分を決定し、投資家のパフォーマンスはインデックスに対する相対評価で測定されます。
 一方、実物不動産は証券のように同じ性質のものが多数存在して売買されているわけではありませんし(不動産の個別性)、売買頻度も少ない(不動産取引の希少性)ため、ユニバースを設定してその取引価格からインデックスを作成することは困難です。

2.J-REIT(日本の不動産投資信託)に関わるインデックス
(1)QUICK REIT Indexと東証REIT指数

2002年7月、(株)QUICKが「QUICK REIT Index」、2003年4月にはJ-REITの主な上場先である東京証券取引所が「東証REIT指数」の公表を始めました。これは、各J−REIT銘柄の時価総額加重平均の指数を算出されたもので、TOPIXなどの証券インデックスの算出方法に準じた方法で算出されています。上場J-REITが登場したことによって、不動産証券化商品のインデックスが算出可能となったわけです。
 ただし、QUICK REIT Indexと東証REIT指数は上述した不動産投資インデックスとは異なるものですので注意が必要です。QUICK REIT Indexと東証REIT指数は、概念的にみて、証券インデックスの一種に過ぎません。

(2)AJPI利用上の注意点

AJPIは、アメリカのNCREIF Property Index(NPI)に準じた形で算出されており、諸外国で利用されている不動産インデックスと同一の概念です。従って、将来的には、米国のNPIと同様、AJPIが、日本の不動産投資市場において、重要なインフラへと発展する可能性が期待されます。
一方、AJPIの算出に利用するJ-REIT個別不動産に関するデータについては、開示時期が異なる点や開示フォームに統一性がないという事情があり、若干の調整を施しています。また、AJPIが、REITの保有物件のみを対象としている点は、諸外国の不動産投資インデックスとは異なります。したがって、不動産投資インデックスとしてAJPIを利用する際には、これらのAJPI特有の事情や想定される特性に留意する必要があります。